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>> 本当に「いい家」ってどんな家?
四季便り
2017.02.20
今年もっとも期待していた映画を観ました。そして、ひょんなことから予期せず素晴らしい映画にも出会いました。そんな訳で、二本まとめて映画のご紹介です。

ひとつ目は現在公開中のマーティン・スコセッシ監督作品の「沈黙−サイレンス−」と言う映画です。公開翌日に早速観に行ったのですが(重かったもので)なかなか文字にする気になれずにいたのが、昨日たまたま観た「カンタ!ティモール」という映画に触発を受けて、「ちょっと書いてみようか」と言う気になったのです。このふたつの映画にはつながりがある訳ではなく、たまたま僕の中で勝手に何かと何かがつながった…ということみたいです。それが何なのか自分でもよくわからないので、文字にして整理してみようかと思った訳です。

遠藤周作による原作「沈黙」を読んだのはもうだいぶ昔のことなのですが、その時受けたガーンとするほどの衝撃は、いまだに僕の頭の中で鮮やかな鉛色の印象として消えることはありません。それをマーティン・スコセッシが映画にするってのだから、観ないわけにはいきません!

物語の舞台は島原の乱の後の長崎県の五島列島。かつて赴任した恩師のフェレイラ神父が、幕府の弾圧に屈して棄教したとの噂を確かめるために、若いロドリゴ神父とガルペ神父が命をかけて海を渡ってきた…これが導入部分です。この物語になくてはならない登場人物のキチジローとも、この渡航の時に出合います。このキチジローがまるで僕自身を映したように、人間の弱い部分…言い換えれば人間そのものあらわすキチジローの存在は、この壮大な物語になくてはならない存在です。あらすじを語るつもりはないので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

全編にわたり、弾圧、拷問、処刑と言う場面が続き、絶望とはこんなにも深いものか、こんな絶望の縁にあり人間とはなんと強いものかとも思うし、またある時はなんと弱いものかとも思うのです。小説を読むだけでもしんどいのに、鉛色のスクリーンに映される映画は更に辛いです。そして「踏み絵」と言う試練が本作の重要なテーマです。

「踏み絵」のシーンが出てくるたびに、観る者はそれぞれが自分にも問うのだと思います。「自分なら踏めるか?」僕ならばどうだろう…現代に生き、クリスチャンではない僕だからかもしれませんが、たぶんちゃっかり踏んでおいて、後で「ゴメンナサイ」と謝れば赦されると都合よく判断するのだろう。だから、拷問され処刑されるくらいなら「踏め!」「早く踏んじゃえ!」と叫びたくなります。でも、村人たちは誰も踏まない。キチジローは踏んだ。彼とて葛藤の末の決断だったのですが、踏んだのは「キチジロー=僕」なのです。

本当にしんどい映画です。なぜしんどいかと言うと、自分の目線がやがてロドリゴ神父の目線になってくるからです。ロドリゴの目の前で、信仰を守った農民たちが拷問を受けます。ロドリゴは祈ります。祈れど神は現れません。正義のヒーローだったらこんな時はマントをひるがえして登場するはずなのに、なぜ神は「沈黙」するのでしょうか…是非、公開中に劇場に足を運んで、ご自身の心で感じてください。

最後に言い添えるならば、この作品に悪人は出てきません。圧倒的な権力者と弱者という構図はありますが、弾圧する側もされる側も、どちらが正しいとか間違えているとかいうことではありません。異文化を受け入れられなかった当時の社会的な背景があるだけです。小説として綴った遠藤周作も、映画として編じたマーティン・スコセッシ監督も、敬虔なクリスチャンだそうです。ご自身の信仰心から絞り出されるような作品なのですが、いったん作品となって発表されるといろいろな解釈があるわけで、宗教的な意味では批判的な意見も多かったことと思います。そういった意味でも深い作品だと思います。

で、もう一つの方の映画は「カンタ!ティモール」と言いまして、こちらは広田奈津子さんと言う若い女性監督のドキュメンタリーフィルムで、公開以来、各地の自主上映会で草の根的な評判が評判を呼び、観た人は必ず誰かに薦めたくなるっていう不思議な魅力にあふれた映画です。僕も「タイトルは聞いたことあるけど…」的な映画だったんですが、参加している異業種交流会の会員さんが「是非、上映会やりましょう!」ってことで、各自分担でDVDを手配したり、プロジェクターやらスピーカーやら持ち寄りで開催した手作り上映会での鑑賞となりました。

2002年にインドネシアからの独立を果たした東ティモール…「そう言えば昔ニュースかなんかで見たなぁ〜」程度の予備知識しかありません。映画は東ティモールの美しい自然を背景に、素朴な音楽と、これ以上はないというほど無邪気な子供たちの笑顔から始まります。でもその明るさの反面、深く癒えない大きな悲しみを東ティモールの多くの人々が今もって持ち続けている、ということをやがて観客は知ることになります。それはインドネシアにより統治されていた時代の悲劇であったり、独立運動で流された血であったりするのですが、その悲劇が世界中の誰にも知らされていなかったという事実が、より悲しみを深くさせています。

それはそうでしょう。2000年前後の当時、インターネットの普及もまだまだだったし、ニュースや新聞で見聞きする東ティモールについては、ただ「独立運動が起こっているみたい…」といった断片的な報道しかなかったような気がするし、そもそも情報があったとしても、わざわざ聞き耳を立てる「耳」自体、僕は持ち合わせていなかったのだと思います。それほど30代の僕は自分のことに忙しかったし、寝る間を惜しんで遊ぶことにも熱心でした。

なぜ、そんな風に振り返ったのかというと、この映画にはときどき年号が出てくるのですが、その年号の連なりはそのまま僕が生きてきた時代とほぼかぶさっていて、映画の中の人々がこんな思いをしているころ僕はこんなことをしていたのだなぁ…と、自分と絡めて想像をさせられるのです。自分は幸運にも豊かな社会にいましたが、この映画に出てくる人たちは真逆の世界に身を置いていたわけで、そのこと自体を問題視するつもりはないのですが、問題は「自分がその豊かさをきちんと受け止めていたのか、豊かさの表面だけ舐めていたのではなかったのか」と自問しながらの鑑賞でした。

「カンタ!ティモール」は赦しの映画です。悲しみはなくならないけど怒りは持ち越さない。独立までの長い歴史の中で受けてきた抑圧や暴力、すべての国民が肉親を殺された経験を持つ…というほどの惨状の中で、常に「赦す」ということを選択した東ティモール。インドネシア軍による殺戮や拷問に対して、東ティモールが行ったことは仕返しではなく赦しでした。

さて、自分に振り返ると…僕も長いこと生きてきたので、怒りの感情を抱いたことはもちろんあります。と言うよりも、日々の小さな怒りなどは数え切れないほどです。で、今は平常心なのですが、それは赦したことによって得られた平常心なのか、それともただ忘れただけか…?思い返すと意識的に赦したという記憶があまりありません。この映画を観ると、「赦す」ということはもっと能動的でエネルギーが必要なことなのだと気が付きます。

この映画のもう一つのテーマである、音楽にも触れずにはいられません。音楽好きの僕にとって「観てみたいな」と思った切り口が「音楽」だったのですが、それは上映が始まってすぐに大きく想像を超えてしまいました。冒頭、あるミュージシャンが子供たちと歌を歌いながら、何のために歌うのかを語るシーンがあります。シンプルなメロディにシンプルなコード進行、ギター一本をストローク弾きしながら歌うその曲には、何の気負いも衒いもありません。むしろ誰にでも歌えるって言うこのシンプルさが、この国の音楽にとってとても重要なファクターなのです。

彼は端的な言葉で音楽の意味を語ります。正確には覚えていないのですが、だいたいこんな意味です。「弱い人がいる限り、弱い人を救うために歌がある」(※このセリフを正確に知っている人がいたら教えてください。) 彼はこの国の「赦す」という力のためには、音楽が必要だってことを知っているのだと思います。子供たちに音楽を教えながら、そういう大切なことも伝えていくのでしょう。だから生半可な音楽ではありませんでした。想像を大きく超えたって言うのはこういうことです。

昔、音楽の授業で音楽の三要素はリズムとメロディーとハーモニーだと習いました。チューニング(調律)があっていないのは、そもそも音楽ではありませんとも習いました。そんなことどうでもよくなってしまう力強さが、この国の音楽にありました。独立を果たしたその日、初代大統領(首相?)の演説の言葉です。「大地を踏みしめて踊れ!」…その言葉に歓声が上がります。この映画の音楽はこういうことです。

映画二本分、勝手な感想を書かせていただきました。共通して言えるのは「弱者に対するまなざし」であったり「赦し」だと思います。カンタ!ティモール上映会後に、その日のお客さんが車座になって一言づつ感想を述べあう、シェア会の時間がありましたが、僕はどうもそういうのがイマイチ苦手なので後片付けで忙しいフリをして輪の外側にいました。なので、ここで書かせていただきました。

カンタ!ティモール上映会は下記で確認できます。自分から動かなくてはなかなか見れる映画ではありませんが、是非!

カンタ!ティモール上映スケジュール
  小野  
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